4-2.
コホートについて
人口学におけるコホートとは同じ期間に生まれた集団を意味します。この集団に注目して国勢調査実施年とその5年前の調査を比較することで、特定地域の転出入の傾向を把握することができます。
例えば、ある地域の5~9歳の人口が前回の調査時より増加している場合、小さい子供を持つ世帯の転入が多いエリアであり、これらをターゲットする業種・業態での開業を考えている場合、新規転入者は「なじみの店」が無いことから成功確率が高くなると言えます。
「東京都小平市花小金井南町一丁目」と「東京都北区浮間三丁目」を例として分析します。エリア起点750m商圏の2020年時点での9歳未満人口は、前者が2,151人に対し後者が2,889人と若干後者の方が多いと言えます。
しかし、コホート分析の結果を見ると「東京都北区浮間三丁目」は5~9歳が転出傾向であるのに対し「東京都小平市花小金井南町一丁目」は5~9歳のみならず10~14歳でも転入傾向を示し(グラフの①)、
さらに「東京都小平市花小金井南町一丁目」では親世代に当たる30~44歳の転入が力強い(グラフの②)ことから、必ずしもターゲット人口の多い「東京都北区浮間三丁目」が有望とは言えなことが理解できると思います。